トニー・ザイラー氏(1935-2009)は、オーストリア・キッツビュールが生んだ不世出のスキー名選手で、昭和31年(1956)に開催された冬季五輪で、アルペンスキー史上初の三冠を獲得するなど、世界スキー界発展に献身的に尽力した巨星。
ザイラー氏と山形蔵王の運命的な出会いは、現役引退後、俳優として活躍する氏が昭和35年(1960)に制作された日本映画「銀嶺の王者」。
出演のため蔵王温泉に約1ヶ月滞在し、山形市民と交流しながら、撮影の合間にスキーを楽しみ、樹氷とパウダースノーを高く評価し、「Mt.Zao」は氏の声望とともに「世界の蔵王」となった。
山形市は、昭和38年(1963)にザイラー氏の生地キッツビューエル市と姉妹都市の盟約を結び、昭和49年(1974)には、国際友好親善に果たされた氏の多大な貢献に対し「山形市特別名誉市民」の称号を贈り讃えた。
TS-STONE(トニー・ザイラー顕彰碑)は、「日本スキー発祥100周年」の記念する平成23年(2011)、ザイラー氏が世界のスキー愛好家に贈った「好奇心」「体力」「意思」の三大指導理念と不滅の大功績を歴史に深く刻み込み、後世に永く伝え残すとともに、“霊峰・蔵王連峰の大自然の力”と“蔵王三大神の力”を結集した蔵王の新しいパワースポットとして、中央高原・パラダイス十字路(蔵王ロープウェイ鳥兜駅から1.2km)に建立された。