蔵王文学のみち 茂吉歌碑ガイドブック
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― 28 ―朗読あかねさす日のまともなる高岡に△心ゆたけく子らは学ばむ意味太陽が真正面からさしてくる日当たりのよい高岡にある学校で、その光を受けて心豊かに、子供たちは学ぶことだろう。そう願ってやまない。注釈「あかねさす」は「日」を言うための枕詞。「山形県堀田小学校のために」詞書あり。現在は山形市立蔵王第二小学校。場所山形市蔵王第二小学校校庭出典寒雲(昭和12年)建立者斎藤茂吉翁歌碑建設委員会※小学校校庭内のため一般公開はしておりません。画像でお楽しみください。朗読あしひきの山の池なる白き鯉意味山の静かな池にいる白い鯉よ、疎開中の落着かないわが心も今日だけは穏やかになることだろう。(孤独感)注釈七月三十一日松尾山観音堂での作。手帳7首中の一首。場所松尾山観音堂出典全集拾遺(昭和20年)建立者茂吉歌碑を建立する会しづかなる時とき代よのごときこころにて白き鯉この水にあぎとふ「小園」昭和20年歌集『小園』には上記松尾山の歌碑の歌はなく、この歌のように推敲されて、昭和20年「金瓶村小吟」50首の中に収められている。白き鯉が蔵王の清冽な伏流水にあぎとう様を見て、のどかさと仏性を強く感じているだろう。茂吉には白き鯉の歌が何首かある。みなもとは石のかげなる冬池や白き鯉うきいでてしまし噞あぎと喁ふ「寒雲」昭和12年など。自然の万物がもともと具えもつ「仏性」「神性」は白い狐伝説や夏目漱石の俳句 仏性は白き桔梗にこそあらめ とにかく歌碑になった作には感動の処女性がある。コイキョウ建立年昭和38年(1963)△われの心はけふは和 揮  毫 山形県知事 吉村美栄子建立年平成31年(2019)ナぎなむアクセスはこちらからアクセスはこちらから蔵王文学のみち周辺歌碑母校の歌碑蔵王文学のみち周辺歌碑松尾山の歌碑あかねさす日のまともなる高たかをか岡に心ゆたけく子らは学ばむあしひきの山の池なる白き鯉われの心はけふは和ぎなむ

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