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もってのほか(食用菊)

 白桃色の細かい花びらの集合体の可憐な菊、その名前は「もってのほか」と言います。清楚な姿に似つかわしくないかも知れません。山形地方では、この「もってのほか」という言葉の意味として、「思っていたよりもずっと〜だ」また、「なんと失礼な」などが上げられます。ですから、思いのほか美味しい菊だ、また、菊のご紋章を食べるとはなんと失礼な、と言われた時代もあったそうです。ともあれ「もってのほか」が美味しい理由はどこにあるのでしょうか。

 山形の食用菊は、黄色の”夏菊”次に”早生もって”が採取されます。そして、11月に入ると、いよいよ”本もって”の登場です。花びらが管状になっているのが特徴ですが、これが旨さをひきだす秘密なのです。酢を少々加えて茹でます。まもなくピンク色に変わってきたら「もってのほか」のおひたしの出来上がり。サクサク、シャキシャキの歯ざわり、喉ごし、爽快なおいしさは誠にもってのほか美味しい。おひたし、酢の物、くるみあえ、天ぷら等々、「もってのほか」は晩秋を彩る万能役者といったところです。

 観てよし、食べてよし、なんと人間に優しい植物なのでしょうか。やがて霜が降りれば、あの白桃色の可憐な「もってのほか」の色香は忽ち失せ、茶色に変色して首をうなだれます。そして、菊の季節は終わりを告げるのです。