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だし

「だし」と言っても煮出し汁のことではありません。これは立派な山形の郷土料理です。

うっとうしい六月の梅雨時、朝トントン包丁の音で目を覚まします。母親が「だし」を刻む音です。山形は、この時期になると露地物の茄子・胡瓜・ねぎ・生姜・しそ・みょうが・青なんばんが出揃います。これらを全部荒みじんに切り、水につけてアクを流して水を切る。その上に削り節をのせ、生醤油を少々かけて食べる素朴な料理です。これが山形の「だし」と言われる郷土料理です。

現在のような快適さのない住まい、高温多湿でジメジメとし、カビが生えたり食欲も進まない。こんな時の救世主が「だし」というわけです。香味野菜と歯ざわりの良さ、ご飯にかけても良いし、酒の肴・冷や奴・麺類の薬味として、山形の梅雨は「だし」はなくてはならない、郷土の知恵の結晶的な料理です。また、味覚はもちろんのこと、栄養的にも非常に的を得た逸品です。胡瓜はビタミンC、茄子はビタミンCの他、白血球に活力を与えることで知られています。そして生姜は防腐作用と食欲増進、ねぎはビタミンB1疲労回復、みょうがはビタミンCと風味・食欲増進、しそ・青なんばんはカロチン・ミネラル、削り節は少量ではありますが、動物性蛋白質等々。正に医食同源、先人の知恵は計り知れません。